練る子は育つ

都内のIT企業で働く28歳女性。読書、音楽、ゲームの記録

2019年「読了本」ベスト7

2019年に読んだ本は41冊でした。ゲームとNetflixに時間を使ったため、2018年の半分の冊数しか読めなかったけど、個人的なベスト7をまとめておきます。もう2020年になってしまったけど!

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bookmeter.com

 

 

1.魔眼の匣の殺人/今村 昌弘

魔眼の匣の殺人

魔眼の匣の殺人

 

今年映画化もされた「屍人荘の殺人」のシリーズ2作目。個人的には屍人荘より好き。「予言」「未来予知」という胡散臭くてオカルトな題材ながらも、それだからこその動機が論理的に組み立てられててスッキリしました。ミステリの要素がたっぷり取り入れられてて、ミステリ好きはもちろん初心者も楽しめると思う。蓋を開けてみれば王道なんだけど、見せ方によってとても新鮮に感じさせてくれる本作。超超超面白かったです。詳しい感想はブログにまとめてます。

クローズドサークルほど犯罪に不向きな状況はない」

本当、常々そう思ってた。

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2.medium 霊媒探偵城塚翡翠相沢沙呼 

medium 霊媒探偵城塚翡翠

medium 霊媒探偵城塚翡翠

  • 作者:相沢 沙呼
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/09/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

数々の賞を受賞した話題の本作ですが、いやー、ヤラレタ。「魔眼の匣の殺人」と同様、霊媒探偵なんてねえ、と胡散臭さたっぷりで始まるわけだけど…これも「本格ミステリへのアンチテーゼ」的なところでがっつりヤラレタ感があるなあ。ネタバレなしで書け流こととしては、翡翠ちゃん可愛い、くらいですかね。最初は「あざといなー好きになれないかもなー」なんて思いながら読んでたのですが、それすらも掌の上でしたね。。。映画化しそう。細かいことはこちらもブログで。

「真実に至る論理がたった一つでなければならない道理なんて、どこにもありません」

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3.そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ

【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された

【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された

 

2019年の本屋大賞受賞作です。家族の物語なのですが、最後の最後で感動して本当に涙が止まらなかった。登場人物がみんな優しい。読了後、家族って(どんな形でも)いいなあ、と思わされる。

「何かを真剣に考えたり、誰かと真剣に付き合ったりしたら、ごたごたするのはつきものよ」

「明日が二つになる」って、いい言葉だなあ。 

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4.BUTTER/柚木麻子

BUTTER

BUTTER

  • 作者:柚木 麻子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/04/21
  • メディア: 単行本
 

2017年に刊行された作品ですが、この小説のモデルになったとされる木島被告の「3度目の獄中結婚」のニュースを見て、今さらながら読了。さすが「ランチのアッコちゃん」の柚木さん、食事シーンがいちいち飯テロ。殺人犯(とされる)女性との対峙がメインなのでずっしり重たいのに、「バター醤油ごはん」にめちゃくちゃ誘惑された。エシレバターも気になるな〜!最後ちょっとぐだぐだしたけど、面白かった。

にしても、木島被告自身もこの本を読んだというのがすごい。そしてこの作品に対して「全然違うわよ、あなた私の何を知ってるの?」と怒りを露わにしており、それ含めてこの小説が完成!って感じ。

 

5.むらさきのスカートの女/今村夏子

【第161回 芥川賞受賞作】むらさきのスカートの女

【第161回 芥川賞受賞作】むらさきのスカートの女

 

芥川賞受賞作。著者・今村夏子さんの「星の子」を読んで鳥肌の立つ経験をしたことがあり、今作も楽しみに読みました。…一言で言うと「不気味」!読み進めるほど「むらさき」より「黄色」が気になってくるし、でも黄色は世間一般からすると存在感が薄すぎてもはや透明だし、なのに行動は突飛で予測不可能。もしも黄色が主人公ではなく脇役として描かれていたら、そもそも描かれないかもしくはヤバいひとになるなあ、みたいな。主人公補正で読んだからこそのジワジワくる狂気、よい読書体験でした。今村さんの作品を読むと、いかに自分がふだん、視野を狭く生きているかを思い知らされる。物事を見るときの視点をちょっとズラすだけで、こんなにも見え方が変わるんだなあと。。

「星の子」についてはブログにも書いたので貼っておこう。 

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6.生命式/村田沙耶香 

生命式

生命式

 

今作も村田ワールド全開!!村田さんの描く世界は、最初は「うわ、気持ち悪い」「ありえないでしょ」と感じるんだけど、作中ではあたかも「通常」「日常」として進んでいくのが不気味。ある意味SF的なんだけど、読み進めるうちに「いや近い将来なりうるのでは?」「そもそも私の価値観が凝り固まってるだけでは」「通常とか日常ってなんだっけ」と思わされてゆくところに中毒性があり。今作は短編集でしたが、中でもやっぱり表題作の「生命式」がゾクゾクしました。生命式とはいわゆる「葬式」なんだけど、死者の弔い方が「死体を分解してみんなで食べる」というもの。いやー気持ち悪い!と思う、じゃん。でも読み終えたあとは意外と理にかなってるのかもな、と思ったり思わなかったり。。食事中に読むのはオススメしません。

 

7.ABC殺人事件アガサ・クリスティー

ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

ハヤカワのセールでクリスティ作品を一気に大人買い。残念ながらハヤカワの翻訳が合わないのか、なかなかペースをあげて読めなかったんだけど、その中でもあまりにも有名な本作は、やっぱり面白かった。あまりにも有名ゆえに、真相についてはどこかで見聞きした覚えがあったけど、そんな記憶を上回る華麗な回収!細やかなヒントが散りばめられ、鮮やかに一つの真実へ繋がっていくさまが清々しかったです。

 

以上、2019年は全然本を読めなかったので軽めにベスト7にしました。2020年、たくさん読みたいな。

一応、2018年まとめはこちら。

 

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