練る子は育つ

都内のIT企業で働く28歳女性。読書、音楽、ゲームの記録

綾辻行人「びっくり館の殺人」感想(ネタバレなし)

綾辻行人館シリーズ8作目「びっくり館の殺人」の感想です。

結論、私はこのシリーズの中なら他の作品のほうが好き。

 

びっくり館の殺人 (講談社文庫)

びっくり館の殺人 (講談社文庫)

 
少年の日の思い出のなかに建つ館、それは「お屋敷町のびっくり館」。…不思議な男の子トシオとの出会い。囁かれる数々の、あやしいうわさ。風変わりな人形リリカと悪魔の子。七色のびっくり箱の秘密。そして…クリスマスの夜の密室殺人!鬼才・綾辻行人が紡ぎ出す、終わりなき悪夢の謎物語。

 

<ネタバレなし感想>

不気味なお屋敷「びっくり館」が舞台。「大人でも子どもでも楽しめるものを」というリクエストに応じて書いた作品とのこと。従来の館シリーズと違って町中にあるので、今作の主人公・三知也の学校でも「あの館知ってるー?」と怪しい噂が立っており、より身近で現実的なところが特徴的。そういう、入りやすくて読みやすい視点が「子ども向け」なんだろうな、と思った。

 

しかし、それが功を奏して?めちゃくちゃ怖い!ミステリ通り越してちょっとホラーだよ…。この不気味な館の雰囲気は最高にドキドキするのですごくいいなと思うんだけど、私が子どもだったらこの結末、ちょっとトラウマになりそう。。

 

館シリーズをこれまで7作読んできた身としては(特に7作目がめちゃくちゃ長かったこともあり)謎解きの面でかなり物足りなかった。というか番外編っぽい。綾辻先生ご本人が「館シリーズのひとつ」と公言しているけど、同じように読んだ人からの「館シリーズっぽくない」っていう感想はたくさん見かけました。

私は十角館とか迷路館みたいな、コテコテの謎モノが好きなので、今作はあんまり好みではなかったです。

 

次は奇面館読みます!