もっと早く知りたかったスパイミステリ/「ジョーカー・ゲーム」感想
「ジョーカー・ゲーム」シリーズが面白すぎて、kindleで出ている3作すべてを一気に読んでしまった。どうしてこんなに面白い作品に今まで出会えなかったんだろう!
本作はスパイ養成学校「D機関」で活躍する「スパイ」にフォーカスした物語。ミステリは大好きなんだけど、スパイの世界に手を出したことはなかった。
シリーズすべてが連作短編集となっていて、スピード感が損なわれずグイグイ読み進められる。
シリーズ1作目「ジョーカー・ゲーム」
表題作であり1作目の「ジョーカー・ゲーム」は、佐久間中尉視点で進んでいくストーリーながら、スパイたちの「頭脳明晰さ」「実行能力の高さ」をガツンと感じられる作品。たしかアニメでも1作目になっていたはず。全編通して、「おそらくこの人がD機関の一員なんだろうな」と考えるのが楽しい。
シリーズ2作目「ダブル・ジョーカー」
「躊躇なく殺せ、潔く死ね」をモットーにした「風機関」が登場。D機関とは対照的な機関です。さて、だれが風で、だれがDなのか…。特にスパイ時代の結城中佐を描いた「柩」が面白い。強すぎる。絶対適わないわ。
シリーズ3作目「パラダイス・ロスト」
「自分からは決して喋るな。可能な限り相手に説明させろ」。D機関で徹底的に叩き込まれた教えは、たとえ記憶喪失になっても記憶の奥深くに沁みついているプロのスパイたち。結城中佐の過去に迫る「追跡」がよかったな。「暗号名ケルベロス」で描かれる、スパイの覚悟、みたいなのもかっこよかった。豪華客船の上で風に吹かれる様子が、アニメでも映えてました。
結局アニメも全部観ちゃった。出てくるひとたちがみんなクレバーでスマートで、かっこよかったです。4作目のkindle化を希望してます!!