練る子は育つ

都内のIT企業で働く28歳女性。読書、音楽、ゲームの記録

テネットを観た

「時間から脱出せよ」のフレーズが気になって「TENET」観てきた。ノーラン監督のことはよく知らないので過去作と比べてどうのこうのはわからないけど感想。

おもしろかった!

「難しい」的な前評判が多くて心配したけど、難しいというより「混乱する」という感じ。あれ?いまこれどうなってるの?エントロピーまどマギ?みたいな。科学的なことを考えては理解できないし、作中人物も「直感よ」と言っていたので、流れに身を任せるのが一番いい楽しみ方な気がする。「よくわからないけどなんか映像がすごい」くらいで観ていれば、終盤にこのカラクリの説明がざっくりあるので、そこで概ね理解できて、最終盤の戦争を「なるほど、なんとなくわかったぞ」と習ったことを復習しながら(それでもよくわからないけど)観ることができる。そしてラストの言葉に含まれた切ない意味を味わいながら、エンドロール。

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映画『TENET テネット』オフィシャルサイト|9月18日(金)公開

 

以下ネタバレあり

 

まどマギやシュタゲのようなタイムリープものかと思いきやそうではなく、「回転ドア」を使うことで「時間の逆行ができる」のがこの作品の新しさ。あくまで逆行なので、狙った場所に戻れるわけではない。10年前に戻りたいなら10年分逆行しなくてはいけない。さらに逆行中は空気の流れ?も逆行するので、酸素ボンベをつけていなくては息ができない。

人は後ろに歩くし、車は後ろに進むし、弾丸は「キャッチ」だし、な巻き戻し映像がとにかくおもしろかった。全部が巻き戻っているわけではなく、順行中の私にとっては一部の逆行人だけが巻き戻って見える映像が斬新。いったいどう撮影したんだろうか。逆行中に爆発に巻き込まれると、凍死寸前になるらしい。どういう理論なのかはわからない。

正直、その映像と発想がおもしろかっただけで、キャラクターには全然魅力がなかった。主人公には名前がないし、なぜキャットをこんなにも助けるのか謎だし(理由を見落としてるかもしれないけど)、キャットは「私は母だから」というばかりで薄っぺらいし(何頭身?というくらい強すぎる体型で、スーツがとても似合っていた)、セイターはまあ自己中モラハラな悪役でノーコメントとして、その他あと誰だっけ?という感じ。

唯一めちゃめちゃ良かったのはニール。私は最後の最後、ニールの口から種明かしされるまで、彼のこの物語への貢献に全く気づけなかったことがもどかしい。お守りを見て、主人公を何度も助けてくれたこと、そして最後に命をかけてくれた人がニールだったことに気づいたときには「美しい友情の終わり」だなんて切なすぎて、エンドロール中ぼーっとしてしまった。いろいろ考察を読んだけど、たしかにニール視点で二週目をみると見え方が違って面白いかもしれない。

感想、「逆行すごい!そしてニール…!」以上。

あ、あとは、たぶん効果音というかBGMも巻き戻ってた。心臓の鼓動のような「ドーン、ドーン」という音の打点に違和感があったので。