練る子は育つ

都内のIT企業で働く26歳女性。読書、音楽、ゲームの記録

デレステのMVがMVすぎて感動した話

アイドルマスター シンデレラガールズ」、通称、デレステ。アイドル育成系のスマホ音ゲーです。

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アイドルマスター」シリーズだけあって、同じスマホ音ゲーの「ラブライブ!」や「バンドリ」に比べると、アイドル個人個人にフォーカスされた物語や機能が多い印象。音ゲーそのものよりも、ストーリーや衣装、ファンの数など、アイドルの周辺で遊べる要素がたくさんあります。

正直私は音ゲーが好きでプレイしているので、楽曲やリズムノーツが自分に合っているラブライブ!やバンドリのほうをやり込んでいるのですが、先日たまたまYouTubeでこんなMVを見つけまして。デレステの。


「デレステ」クレイジークレイジー (Game ver.) 一ノ瀬志希、宮本フレデリカ SSR (Crazy Crazy)


…れっきとした"ミュージックビデオ"すぎてびっくりしました。

これまでのアイドル育成ゲーのMVといえば、せいぜいステージがあって、そこでキャラが踊る、というもの。だけど、このデレステのMVにはストーリーがある…。曲に合わせた(二次元の)スタジオセット、いろいろな角度からのカメラワーク。もちろんアイドルの表情も多様です。

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↑志希ちゃん、フレデリカちゃん

さらに!
デレステでは、自分の選んだアイドル(と衣装)にその曲を踊らせることができるのが魅力。推しのアイドルを集めて躍らせたり、好きな衣装に着替えさせたりすることができます

これ↓は、上記楽曲の奏ちゃんと文香ちゃんバージョン。こんな感じで、好きな組み合わせにできます。

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ラブライブでも公式のMVはあって、完成度は高いのですが、キャラクターを自分好みのものに変更することはできません(当たり前だけど)。私たちはプロデューサーとして"アイドルのプロデュース業"を請け負っているので、彼女たちの魅力が引き立つ1本を作り上げるのもお仕事である…というデレステからのメッセージを感じました…。

 

さて、先日「デレステAR」が実装されまして。ポケモンGOと同じように、AR機能によって「自分の世界」にアイドルが現れるというもの。ツイッターでもトレンド入りしてて、Pたちが早速自分の推しアイドルを現実世界に召喚してました。近未来だー。

これの何がすごいって、「アイドル全員」に適用されていることなんです。デレステには現在183名(!)ものアイドルがいるようなのですが、もちろんキャラごとに人気の格差は発生します。途中から追加されたアイドルなどは、まだボイスが実装されていなかったりもします。でも、そんなアイドルを「モブ」にせず、全員を対等に扱うという姿勢がすごい…。だからこそ、プロデューサーたちも推しがいがあるというものです。自分が推してた無名アイドルにボイスがついた瞬間なんて、感動もひとしおなんだろうな。

そんな運営さんの熱意や愛は、(デレステARには関連していないですが)以下の記事に書かれております。。

www.famitsu.com

プロデューサーの皆さんは、想い入れを持って、ゲームを遊んでくださっています。ですので、私の担当アイドルはリッチ化されているけど、ほかの方の担当アイドルはリッチ化されていないというのは納得できないと思うんです。だから、我々は勇気を出して300件のデータ修正を決断しました

「私の好きなキャラは〇〇されてないなんて!運営に推されてないんだ」というのはどんなコンテンツでもありえることですが、全員を平等に扱うなんてふつうは難しいと思います。それを…200名近いキャラ分…全部…

開発スタッフはアイドルたちが大好きです。私たちはアイドルとユーザーのことを考えて、コンテンツを作っています

運営さんがここまで熱いからこそ、ユーザーは安心して心置きなく「課金」できるということで。

ただ、アイドルが多いゆえに、気になるキャラクターをなかなかガチャで引き当てられないという弊害も…。

余談ですが、このあいだのイベントのおふたり。楓さんと奏さん、美しすぎる…。

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とりあえず、音ゲーとしては全然やりこめてないですが、アイドルたちはこれからも追っていきたいと思います。

 

桑原あい with スティーヴ・ガッド & ウィル・リー のLIVEを観てきた

 

ブルーノート東京にて、ジャズピアニスト・桑原あいのLIVEを観てきたので感想を。
9/22(土)の2ndステージです。

 

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正直言うと、ドラムの神様であるスティーヴ・ガッドを観ることが目的でした。どうしても生で観てみたくて!会場には年齢層ちょっと高めのおじさまがかなりいらしたので、私と同じような、ガッド(とウィル)ファンが多かったように思う。というと桑原あいさんには申し訳ないけど、後述するように彼女自身も二人を崇めていたので必然かなと思います。その日のガッドの恰好は、ちょっとヨレっとしたグレーのTシャツにデニム。ウィル・リーは、黒いシャツに白いパンツ、トレードマークのサングラスをかけて、すらっとしていてかっこよかった。

実際のところ、ガッドは終始譜面を見ていた。笑 とにかくサポートとして黒子に徹していた印象。スティックやブラシが腕と一体化しているような、力の全く入っていないフォームで淡々とリズムを刻むので、キメどころでのパワフルさが引き立っていた。当たり前だけど、どんなフレーズでも余裕なんだろうなって感じの自由自在な演奏でした。ただ、曲調や場所柄仕方ないとは思うけれど、ブラシでのプレイングが多かったので、今度はもっとダイナミックな曲で聴きたいかも。

ドラムセットはこちら。すごくシンプルだった。

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全体としては、リハと本番でしか合わせてないんだろうなーと感じる危うさもところどころあったが、終始ウィル・リーがリードしていた。私は彼のベースを生で聴くのも初めてだったんだけど、リズムはもちろんのこと、フレーズの歌い方が繊細でとても素敵だった…。

桑原あいさんは、本当に二人とできることが幸せ!という感じで、楽しそうに演奏していたのが印象的だった。MCでも、「彼らは神様、私は庶民!彼らの演奏を私も客席で聴いていたいくらい」って言ってた。ただ、彼女がメインのトリオのはずなのに彼女の演奏はなにも覚えていない…。上原ひろみを観に行くといつも圧倒されるんだけどなー。

彼女は私と同い年ということもあるので、これからも応援していきたい。

 

ブルーノート東京、個人的には一番後ろのカウンター席が好き。ややステージからは離れるけど、相席にならないし、ゆったりと観れておすすめです。

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AI KUWABARA - 桑原あい|ARTISTS|BLUE NOTE TOKYO

 

「シャーロック・ホームズの回想」感想

シャーロック・ホームズシリーズ第4作目。短編集「シャーロック・ホームズの回想」を読んだので感想を書いておきます。

今作もめちゃくちゃ面白かった…。シャーロックの兄・マイクロフトや、宿敵とされるモリアーティ教授が登場するのもこの作品です。

 

収録作品

  • 名馬シルヴァー・ブレイズ
  • ボール箱
  • 黄色い顔
  • 株式仲買店員
  • グロリア・スコット号
  • マスグレイヴ家の儀式書
  • ライゲイトの大地主
  • 背中の曲がった男
  • 入院患者
  • ギリシャ語通訳
  • 海軍条約文書
  • 最後の事件

 

特に気に入った作品

①グロリア・スコット号

シャーロック・ホームズの「最初の事件」。シャーロックの学生時代の友人であるヴィクター・トレヴァと、そのお父様にまつわる事件です。シャーロックに友人がいたなんて!

このお父様の助言によって、彼は探偵の仕事を始めることを決意したんだとか。

「ホームズさん、どうやって探り出されたのかはわからんが、実在のであろうと小説中のであろうと、探偵という探偵は、あなたの手にかかれば子どもも同然ですな。これを一生の仕事になさるといい。この世のなかをいくらか知っている男の助言として、お聞きくださいよ」

ワトスン、信じられないかもしれないけれど、ぼくの才能を買いかぶって認めてもらったうえに、この助言だ。これまでただの趣味にすぎなかったものを、職業にしてもいいなと、生まれて初めて思ったのさ。

探偵になったきっかけ気になっていたので、こういう出会いがあったんだとしみじみ。事件そのもののお話もなかなか壮大で、読みごたえありました。

 

ギリシャ語通訳

マイクロフト登場回です。BBCのドラマ「SHERLOCK」を見ていると、シャーロックとマイクロフトはお互い変わり者で、特に仲は良くない(がお互い気に掛け合っている)兄弟だと感じていたんだけど、これを読むと違った。シャーロックはマイクロフトの能力を認めている。「同じ才能をぼく以上にもっている」というのである。ワトソンも驚いて、「さすがに謙遜だろう?」と訊くのだが、これに対するシャーロックの答えがよかった。

ワトスン、ぼくはね、謙遜を美徳だなどとは思っていないんだよ。論理を扱う人間だったら、ものごとはなんでも正確にありのままに見なければならない 。必要以上にへりくだることは、大げさに見せるのと同じで、事実からはずれてしまうことになる

肝心の事件の話よりも、マイクロフトへの評価やマイクロフトとの推理合戦が面白かった。

 

③最後の事件

言わずと知れた、宿敵「モリアーティ教授」との対決のお話。といっても、モリアーティってこれまで一度も出てこない。コナン・ドイルがシャーロックを物語から撤退させようとするために、急にこしらえたキャラに感じた。笑 登場シーン少なすぎ!

直接対決の場所となった「ライヘンバッハの滝」はスイスにある。原作を読むまで「なぜロンドンじゃない場所で対決することになったんだろう?」と思っていたんだけど、納得した。シャーロックはモリアーティの手から逃げるために、ワトソンとともに旅に出ていたんですね。

この作品には事件も推理も全然出てこない。ホームズとワトソンというキャラクターに思い入れのある私たちにとっては、つらくも大事な一作となった。

 

 

事件の内容というよりは、キャラの人となりがわかる作品ばかりを並べてしまった…。

次は長編「パスカヴィル家の犬」を読みます!

リアル脱出ゲーム「奇術城からの脱出」感想

リアル脱出ゲーム「奇術城からの脱出」行ってきました。リバイバル公演。

今作は、謎解きの難易度が高いことで有名な、名探偵コナンコラボです。怪盗キッド回です!

成功率は25-30%くらい。残念ながら失敗しました。。 

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公演名:奇術城からの脱出
参加日:9/17
場所:アジトオブスクラップ横浜
形式:6人1チームのホール型
結果:失敗
備考:ヒールやスカートでも問題ない範囲での探索ちょいあり。
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<ネタバレなし感想>

  • 怪盗キッドとの謎解き対決です。かっこいい。
  • ストーリーは超シンプル。
  • リバイバル公演。初出は2015年?かな?
  • いわゆる大謎、最後の謎にたどり着くまでに何度も引っかかってしまった…。
  • 時間さえあれば…
  • ひとつひとつの謎、けっこう重たかったように思う。量より重さ。
  • 「わかんないわごめんパス」「私もダメ」みたいな展開があった笑
  • ただ謎の質としては、リバイバルということもあって、わりとスタンダードめ。
  • やっぱり新しいもののほうが、爽快感やヤラレタ感、納得感は大きい気がした。

 

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今年15本目。最近失敗続きだから次こそ頑張りたい。。

realdgame.jp

サクッと読めて面白い、近藤史恵「ビストロ・パ・マル」シリーズ感想

とっても読みやすくて面白い小説を今更ながら見つけました。近藤史恵の「ビストロ・パ・マル」シリーズ。

ビストロを舞台にした連作ミステリ短編集で、近藤史恵さんらしく「日常の謎」を盛り込んでいて飽きない。登場人物も魅力的で、出てくるお料理も美味しそう。

「読書したいけど何読んだらいいかわかんない」「あまり重たいのは読みたくない」という方にぜひおすすめしたいシリーズです。
 
全3作が刊行されていますが、ここでは2作を紹介します。
 

タルト・タタンの夢

タルト・タタンの夢 (創元推理文庫)
 

 

表題作を含めて7編が収録されています。
作品のタイトルは食べ物にちなんだものが多く、まるでビストロのメニューのような目次になっていておしゃれ。
 
  • タルト・タタンの夢
  • ロニョン・ド・ヴォーの決意
  • ガレット・デ・ロワの秘密
  • オッソ・イラティをめぐる不和
  • 理不尽な酔っぱらい
  • ぬけがらのカスレ
  • 割り切れないチョコレート
 
この作品の「視点」を務めるのは、ビストロ・パ・マルでギャルソンをつとめる、ぼく・高築智行。
登場人物一覧もこんな感じで可愛いです。
 
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物語は、小さなビストロにくるお客さんのちょっとした謎を、料理長の三舟シェフが解いていくというお話。謎の華麗な解決はもちろん、おいしそうな料理の描写が最高。
馴染みのない料理の名前も、
ブランダードは、干し鱈とじゃがいもをすりつぶしてオーブンで焼いたもの。フランスの家庭料理だが、なめらかなクリームに近い状態にして、アンディーヴやクレソンやアーティチョークなどの、苦みのある生野菜と一緒に食べるのが、三舟シェフのオリジナルである
などとサラッと説明が入るので大丈夫。
特に食後に出される「ヴァン・ショー」が飲みたくなること間違いなし。
赤ワインをお湯で割り、そこにオレンジの輪切りとクローブ、シナモンを加えて出来上がり。フランスでは、風邪を引いたときや、寒い夜に定番のヴァン・ショー、つまりホット・ワインである
おいしそう…!
 
続けて2作目へ。
 
 

ヴァン・ショーをあなたに

 

目次はこちら。
  • 錆びないスキレット
  • 憂さばらしのピストゥ
  • ブーランジュリーのメロンパン
  • マドモワゼル・ブイヤベースにご用心
  • 氷姫
  • 天空の泉
  • ヴァン・ショーをあなたに
 
シリーズ2作目だが、1作目とはちょっとだけ毛色が違う。
1作目は「ビストロ・パ・マル」をメインとし、ここを取り巻く人々…がゲスト的な役割で登場する形だった。本作はそれよりも、来店するお客さんその人にフォーカスがされている。
 
大矢博子さんのあとがきでこの「違い」について述べられていて、とても納得したので引用しておきます。
料理は作り手だけで完結するものではない。食べる人がいてこその、作り手である。そしてレストランに来る客にはそれぞれの生活がある、という当たり前の事実がある。
食べる人がいてこその、作り手である。そこが色濃く表れているのが本作だ。
 
たとえば「天空の泉」の舞台はヨーロッパで、そもそも「ビストロ・パ・マル」が出てこない(できる前)。けれど、おいしい料理と三舟シェフの話術によって、この章の主人公・江畑さんの硬くなった心がほぐれていき、前を向けるようになる。三舟シェフは昔から、謎を解決するパワーがあったんだなあと思わせる1編でもあります。
 
ちなみにオムレツの描写があまりにもおいしそうです。
木の葉型に整えられたオムレツが運ばれてくる。そっとナイフを入れると、薄い皮が破れてとろりと中身がこぼれ出る。いっそう濃いトリュフの香りがあたりに漂った。フォークに載せて口に運ぶ。卵の濃い味とトリュフの芳醇な香りが鼻に抜けた。なんと形容していいのだろう。シンプルなだけに、まさに完璧とも言えるバランスだった。
 
個人的には特に、表題作が好きだった。おばあちゃんの作るヴァン・ショーにまつわるお話。「料理」とそこに込めた「思い」がグッと伝わってきます。
 
 
3作目の「マカロンはマカロン」はまだ読めていないので、読み次第追記したいと思います。

有栖川有栖「インド倶楽部の謎」ネタバレあり感想(トークショーレポ含む)

大好きな有栖川有栖さんの国名シリーズ最新作「インド倶楽部の謎」。
早速読んだ&トークショー(@下北沢B&B)にも行ってきたので、そのレポも含めて感想を書いておきます。
 
インド倶楽部の謎 (講談社ノベルス)

インド倶楽部の謎 (講談社ノベルス)

 

 

一応前提。国名シリーズは、犯罪臨床学者の火村英生とミステリ作家の有栖川有栖がタッグを組んで謎を解いていく、「作家アリスシリーズ」の中のひとつ。タイトルに国名が入っているものを指します。ジャンルは本格ミステリ
 
ちなみに国名シリーズでいうと13年ぶりの新作らしい。私が有栖川作品のファンになったのが5年前くらいなので、リアルタイムで新作を読めるのは初めてです。嬉しい!
 

あらすじ

前世から自分が死ぬ日まで――すべての運命が予言され記されているという「アガスティアの葉」。神戸の異人館街の外れにある屋敷では、この神秘の葉を一目見ようと<インド倶楽部>のメンバー七人が集っていた。しかし数日後、港で変死体が揚がり殺人事件が相次ぐことに。まさかその死は予言されていたのか? 捜査をはじめる臨床犯罪学者の火村英生と推理作家の有栖川有栖は、謎に包まれた例会と連続殺人事件の関係に迫っていく!
 
さて感想ですが、ミステリなのでどう書いてもネタバレになってしまうので、以降気を付けてください。(トークショーでも、「本の内容には触れられないからな~」と話題探しが大変そうでした)
 

ネタバレあり感想 

まず、「前世の存在」を信じ切っているというめちゃくちゃアヤシイ人たちの例会から始まる本作。謎のインド人によって「死ぬ日」まで予言され、それも信じているメンバーたち…。始まりから胡散臭すぎて不安になるくらい。
 
私は火村やアリスがこういったオカルトとは無縁の存在だと知っているので、こんなふわふわな登場人物たち相手にどうやって切り崩していくんだろう…とまず思いました。有栖川さんご自身も「インド倶楽部なんていかにも怪しすぎる」とおっしゃっていた(でも、数人でコソコソしているテーマがお好きらしい。「乱鴉の島」しかり)。
 
例に漏れず殺人事件が起こるのだが、その謎を解くカギはまさかの「動機」。本格ミステリはどちらかというとトリックに重きを置かれることが多くて、動機やら登場人物の心情やらは置いてけぼりになりがちと感じていたんだけど、今作はそこを逆手にとった形だったな。いや〜RADWIMPSの「前前前世」が出てきたときは「えっいまさら」と思いましたが、かけてたんですね。前世の物語が動機になるなんてふつうじゃありえない、けれど、丁寧に丁寧に登場人物の心情が描写されていたので意外と腹落ちしました。
 
シリーズを追っている身としては嬉しいシーンもたくさん。過去作のタイトルが出てきたり、火村アリスの出会いの話が出てきたり。ちなみにインド倶楽部に所属しているカウンセラーによると、火村アリスは「互いに深く理解しあっている」=「ソウルメイト」らしいです。…とオカルトな流れでサラッと出てきて逆に嘘っぽく感じたので、それよりも「カレー友だち」のほうがリアルでしっくりきた。
いや、それよりも!輪廻転生を全く信じない火村に対する、カウンセラーの洞察が鋭かった。
あなたは、一回きりの命の尊さを信じて、それを愛している人なんだ。そういう方ならば、人殺しなんか到底赦せないでしょう。だから犯罪について研究している。
 
そういえば、火村をいつも疎ましく思っている野上警部の心情描写もあった。
犯罪学者やなんて、まどろっこしい。あの男は、なんで最初から刑事にならんかったんや?
という火村への疑問はごもっともだと思います。それゆえの、彼に対するモヤモヤなんだろうなあ。
 
全体としては、「火村とアリスが神戸の街を歩くところを楽しんで書いた」のだそう。火村シリーズは終わらせる気がない、ずっと書き続けたいとおっしゃっていて一安心。どのシリーズも完結させてないんですけどね、ふらふら気の向くままに書いてたらこうなって、と笑ってました。あとがきにも「タイプを散らして多様な書き方をしたい」とあった。
 
今作は、火村に詰められた犯人があっさり自供したので解決したものの、正直ロジックというよりは「想像と消去法」で導かれた犯人だった(と、作中でもアリスが言ってる)。ガチガチのロジカル世界ではなかったけど、それゆえに登場人物の人間らしさが垣間見えてよかったな。
 
来世は明日、前世は昨日。
 
 
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ちなみにトークショーでは「ミステリの存在論」的な話もされていました。有栖川さん曰く、「ミステリーは作者が『どこを問題にするか』に依存する」とのことで、結局トリックは「できないと思っていたことをできるようにするもの」であるから、そう考えるとどんなにあらゆる手段を否定しようとも「とはいえトリックを使ってできる可能性」は残ってしまうと。そんな話を「ペルシャ猫の謎」で書き、さらに深めたのが江神シリーズの「除夜を歩く」なんだとか。間が空きすぎていて、この関連性は気づいてもらえないって言ってたけど。
 
あ、あと、このトークショーが作品の内容に触れられない(刊行してすぐなのでネタバレを避けるため)、という性質も相まって、エラリー・クイーンの国名シリーズについて語りまくってた。「インド倶楽部の謎」はクイーンが書こうとして書かなかった作品(タイトル)で、20年くらい前からずっと書きたかったのだとか。クイーンのシリーズが長編だから、自分のは短編でいこうと思っていたけど、3作目が思いのほか膨らんでしまい長編になったと。結果、長編と短編のミックスになっちゃったところが自分らしいなあ、とのこと。
 
トークショー参加者は8割方女性でした。私、受付開始時間後すぐにアクセスしたはずなのに、整理番号後ろのほうだった。40代くらいの方が多かったかな。着物の方もちらほら。可愛い猫サインをいただけて満足です。
 
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帯の「華麗なるラストサプライズ」だけはよくわからなかった…。どういうこと?
 
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輝夜月LIVEのライブビューイングに行ってきた

私が今一番推しているVtuber輝夜月ちゃんのライブを観てきた。

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正確にいうと、「Zepp VR」というVR仮想空間でLIVEが行われ、そのライブビューイングを映画館(新宿バルト9)で観た。

 
過去、音楽LIVEには何度も足を運んだし、映画館でのライブビューイングにも参加したことがあるけど、「VR LIVE」なんて初めてで、始まるまでどんなライブなのか予想もつかなかった。
いや、VR LIVEってなに?それをライブビューイングするとは何事?という感じで妹と二人で行きましたのでレポートかねて感想を書いておきます。
 
結論、ルナちゃんめっちゃ可愛くて面白かった!!
 

セトリ(?)

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開演アナウンス
ラジオ体操
オープニングムービー
Beyond the Moon
MC
幸福論(椎名林檎バー
フリートークタイム
Beyond the Moon(エビーバーコスプレver)
閉演アナウンス
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まずバルト9につくとルナちゃんがいました。可愛い。
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20時開演で19:45くらいについたけど、グッズはほぼほぼ完売でした。
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シアターに入ると座席はほとんど埋まっていて、しかも7-8割は男性だった。
ちょこちょこ女性同士やカップルもいたけど、こんなに男性比率が高いとは…!
 
20時になり、おなじみのエビーバーとパブロッコリーが出てきて諸注意を。
「映画館の人は写真撮影ダメです、VRで観てる人はスクショしてもいいですよ」とか。
相変わらずの活舌の悪さに場内も笑う。
 
そしていざ開演、ルナちゃん現る。新曲くるか…と映画館どよめく。
 
と思いきや、突如ラジオ体操を踊り始めるルナちゃん。途中で三代目~とか恋ダンス~とか挟みながらの入念な準備体操…
私の隣の人が「これはいったい何を見せられてるんだ…」ってつぶやいてて思わず私も頷いた。
 
体操を追えたルナちゃんは一時退場し、彼女の過去の動画がダイジェストで流れます。私、全部の動画がわかってしまって、ルナちゃんをしっかり追いかけてきたことを実感してしみじみ。なんだかえもい雰囲気に。
 
ここからやっと本編…!
 
セットがライブ仕様に変わって、くす玉が割れて、ルナちゃん再登場。配信されたばかりの新曲「Beyond the Moon」を披露。高いところまで地面がぐーっと持ち上がって、その上で歌い上げる様子はVR世界ならではだったな。場内も一部ファンがレスポンスして盛り上がってたけど、まだみんな様子見って感じ。ルナちゃん、ダンス頑張ってた。
 
曲が終わるとMCに。ルナちゃん、仕切りに「ありがとうーーーー!!!!!!」を連呼。そして「おはよーーーーーこんちはーーーーーこんばんはーーーーーーおやすみーーーーー起きてーーーー!!!!!!」をやってくれました!場内も思わず拍手。ルナちゃんはひたすら「ライブ嬉しいやったー!!!」とニコニコ駆け回っていました。緊張して台本忘れちゃった~な様子を、平常運転だなと見守るファンたち。そんな中突如として「みんなの幸せってなに?」という哲学的な問いへ。そこから続くは…
 
まさかの椎名林檎の「幸福論」カバー
 
林檎さんファンの私にとって、こんなに大興奮な選曲はなかった。大感動だった。パンキッシュでロックなアレンジになっておりました、感無量でございました。。。。しかも林檎さんの許可済とのこと。ルナちゃんの口から「椎名林檎さん」って単語が出てくるなんて、涙出そうだったよ。
 
そのあとは生放送でもおなじみフリートークタイム。正直これをライブでやる意味は?と思ったけど笑、彼女の魅力でもあるし結果楽しかったからいいかな。このフリートークに関してはVRで参加しているひとが圧倒的に勝ち組だった。アバターでルナちゃんに限りなく近づいたり、サイリウムとか拍手とか「エモーション」を使ってルナちゃんとコミュニケーションとったりしてた。うらやましい!
 

 
最後、エビーバーが爆発して笑、ルナちゃんがエビーバーコスプレになりました。これがめちゃくちゃ可愛かった。2度目の「Beyond the Moon」でシメ。最初より場内も温まっていたので、レスポンスも大きめになってた!
 
 
以上。
時間は45分間くらいで、ライブにしては短く感じたし、楽曲も2曲しかやらなかった。もっと、いわゆるアーティストの「ライブ」っぽいものを想像してたので、バーチャル界隈の曲のカバーをするのだと思ってました。林檎さんの「幸福論」には本当に驚きだった。
 
VRのチケットは、販売から20分後にアクセスしたときにはすでに完売していたんだけど、どうやらキャパ200人だったみたい。それは激戦だよなあ。むしろ、バーチャルのキャパってそんなに少ないの?って意外だった。
 
VRチケット持ってなくても、エントランスまでは入れました。 
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VRの良さは上記したとおりで、ルナちゃんと同じ世界にいられて、コミュニケーションをとれること。一方で、ライブビューイングではカメラワークがとてもよくて、臨場感たっぷりのライブを味わえたり、周りのひとと一緒に盛り上がったりできるところが良いところかな。それぞれ別の魅力があると思う。
 
ちなみにVRチケットは5000円、ライブビューイングは3000円。VRは機材もそろえなきゃいけないっぽかったから、初期ハードル高い気がした。
 
ともかく、世界初のVRライブでトラブルもなく最初から最後まで楽しめてよかったかな!ルナちゃん可愛かった、これからも動画アップ待ってます!
 
▼Beyond the Moon、 パンクもロックもポップスも混ざったとてつもなく目まぐるしい楽曲です、輝夜月っぽさ満載、振り回されること間違いなし。