本屋大賞2019ノミネートの全10作を読んだ
2019年の本屋大賞ノミネート作品を全部読みました!小説ごとに感想記事も書いたのでまとめつつ、(予想ではなく)あくまで個人的なランキングもつけておきます。
個人的なランキング
- 1.『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ(文藝春秋)
- 2.『さざなみのよる』木皿泉(河出書房新社)
- 3. 『ある男』平野啓一郎(文藝春秋)
- 4.『愛なき世界』三浦しをん(中央公論新社)
- 5.『フーガはユーガ』伊坂幸太郎(実業之日本社)
- 6.『ベルリンは晴れているか』深緑野分(筑摩書房)
- 7. 『ひとつむぎの手』知念実希人(新潮社)
- 8.『ひと』小野寺史宜(祥伝社)
- 9.『熱帯』森見登美彦(文藝春秋)
- 10.『火のないところに煙は』芦沢央(新潮社)
1.『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ(文藝春秋)
もうほんっとうに良かった…。「血のつながりがある」ことだけが家族の証じゃないよね。一緒に過ごした時間と、相手を思いやる気持ちと。「子供を持つことで、自分のと、自分のよりずっと大事な明日が毎日やってくる」「明日が二つになる」っていう表現、素敵すぎませんか。久々に小説で泣いてしまいました。
感想記事↓
2.『さざなみのよる』木皿泉(河出書房新社)
「死」がテーマなのに、「生」や「希望」みたいなものが浮かび上がる不思議。読んだ後、「しゃんと生きねば!」と背筋が伸びるような、前向きな気持ちになれる作品です。短編で紡がれる「亡き人」との思い出が本当にやさしい。死後もこんなふうに、語られる人間でありたいなあ。
感想記事↓
3. 『ある男』平野啓一郎(文藝春秋)
自分の好きな人の過去が全部偽りだったとしたら、私はその人を変わらず愛せるか?…問いは、まさしくこの作品のコピーどおり「愛にとって、過去とはなんだろう」。粛々と進むストーリー、哲学的で、考えさせられます。きっと読むひとそれぞれが違った答えにたどり着くんだろうな。
感想記事↓natsumixx7239.hatenablog.com
4.『愛なき世界』三浦しをん(中央公論新社)
植物オタク(研究者だけど、あえてオタクと呼びたい)を好きになってしまった主人公の物語。タイトルは「愛なき世界」だけど、全然逆。植物への強すぎる愛を、周りみんながきちんと受け入れてくれる世界、愛しかないでしょう。くすっと笑える場面も多くて読みやすかったです。青春だー。
感想記事↓
5.『フーガはユーガ』伊坂幸太郎(実業之日本社)
伊坂さんの作品は大好きなんだけど、この作品は残念ながら私にはちょっと重たすぎて、推したくても推せないもどかしさ…。テンポが良くて洒落たセリフ回しは健在で、面白いんだけど…!だけども!
感想記事↓
6.『ベルリンは晴れているか』深緑野分(筑摩書房)
戦後のドイツを舞台にした、重厚な歴史ミステリ。ノンフィクションのようなリアリティある描写に圧倒されながら、同時に心が痛くなります…。時代や環境によって変わる「正義」。正しいことって、何なんだろう。
感想記事↓
7. 『ひとつむぎの手』知念実希人(新潮社)
ジャンル的には「医療ミステリ」に分類されるようなんだけど、個人的にはミステリというよりはヒューマンドラマな側面を強く感じた。研修医の信頼を勝ち得ていく展開は王道ながらも、王道でよかったなと思えるほどの主人公の不遇さ。頑張っているひとは報われてほしいけど、そうもいかないのが世の常。。
感想記事↓
8.『ひと』小野寺史宜(祥伝社)
大事なのは「ひと」である、って何度繰り返されてきたテーマなのか。いや、物語を通してまあ納得いくんだけど、正直新たな発見はないというか、「うん、そうだよね」って感じだったのでこの順位。
感想記事↓
9.『熱帯』森見登美彦(文藝春秋)
「最後まで読んだ人間がいない」…なんて魅力的なフレーズなんだろう!と思いわくわくして読み始めたけど、作中ずーっと漂っている「地に足のつかない感」が最後までちょっと気持ち悪くて、何度も挫折しかけてしまいました。。森見さんの文体や世界観が好きな人は楽しめると思います。きっと!
感想記事↓
10.『火のないところに煙は』芦沢央(新潮社)
ノミネート前から話題になっていたけれど、ホラー小説が大の苦手なので避けてました。やっぱり怖かったので、この順位です。芦沢さんの他の作品は(イヤミス含めて)面白かったので、単に私に作品ジャンルが合わなかったというだけ。ホラーというか背筋がゾクッとするのが大丈夫な人にはオススメです。
感想記事↓
以上、個人的なランキングと感想でした。実際の本屋大賞発表は4月9日、楽しみにしようと思います。
▼ ちなみに2018年の本屋大賞についての感想はこちら~