練る子は育つ

都内のIT企業で働く28歳女性。読書、音楽、ゲームの記録

椎名林檎トリビュートアルバム「アダムとイヴの林檎」感想

トリビュートアルバム「アダムとイブの林檎」が発売されました。

林檎さんの歌声が聴けないのと、いうても林檎さんに似せてくるんだろうなあ、って気持ちもあって、そこまで期待していなかったのですが、、

それぞれのアーティストに合わせたアレンジになっていて最高でした。。

サブスク解禁されたのでSpotifyApple Musicでも聴けます!! 

アダムとイヴの林檎

アダムとイヴの林檎

 

 

以下、一言感想です。考察ではありません。

 

1.正しい街×the ウラシマ's

林檎さんのファーストアルバム「無罪モラトリアム」の1曲目。
「正しい街で始まる」というだけでファンとしては感慨深いです。
林檎さんが歌う「正しい街」は、彼女が当時10代ということもあって、若さからくる叫びのような歌に聴こえてたんだけど、スピッツ草野さんの暖かい声で再生すると、郷愁に溢れた大人な曲に様変わり。

というか…ウラシマ'sが豪華すぎますね。

the ウラシマ'sとは:亀田誠治プロデュースのスペシャルバンド。
Vo.草野マサムネ from SPITZ
Dr.鈴木英哉 from Mr.Children
Gt.喜多建介 from ASIAN KUNG-FU GENERATION
Ba.是永亮祐 from 雨のパレード

 

2.丸ノ内サディスティック×宇多田ヒカル&小袋成彬

いやー、宇多田ヒカルで丸の内はずるい。もうそれだけでごちそうさまです。
去年だったか、宇多田さんが小袋さんのラジオで軽く歌ってくれたんだよね。
林檎さんと宇多田さんは「EMIガールズ」として一緒にライブしたり、宇多田さんが結婚したときには林檎さんがLIVEで「travelling」をカバーしたり、昨年はふたりで「二時間だけのバカンス」を発表したり、と…どちらのファンでもある私からしたら最高な組み合わせなのですが。
正直、ピンで歌ってほしかったな、宇多田のR&B!なアレンジが聴きたかったな、という気持ちはあります。。

 

3.幸福論×レキシ

オシャレキシー!!カジュアルポップなオシャレソング!!さすがレキシ。
林檎さんの幸福論は、(悦楽編も)ハッピーソングすぎて聴き飛ばしちゃうことが多かったんですが、この、「幸福」を噛みしめるようなアレンジ。とてもよいです。
池ちゃんの低音ボイスで「コウフクロン♪」始まりも可愛い。

 

4.シドと白昼夢×MIKA

ボサノヴァ!本物のやつ!
MIKAさん存じ上げなかったんですが、やさしい歌声で素敵。
なんでもかんでもボサノヴァにすればいいって話じゃないよ、と思いつつ、これはちゃんと完成してました。

 

5.茜さす帰路照らされど・・×藤原さくら

藤原さくらちゃんって若いのに、こんなしっとりとした曲歌えるの?って思ってたんだけど、ヘタに林檎さんに寄せずに伸び伸びと歌い上げててよかった。
福岡出身なんですね。林檎さんと通ずるところがあったのかも。

 

6.都合のいい身体×田島貴男(ORIGINAL LOVE

オリジナル・ラヴ田島さん。
「勝負のときに限って調子悪い(怒)」という歌詞で、バックのオケがキラキラと盛り上げてくれるおかげで「本当の自分はこんなもんじゃないと思いつつ、でも、気丈に頑張る」って感じなんだけど、
田島さんが歌うと「でも、まあしょうがないよね。そういう日もあるさ」って雰囲気になります。なんか余裕ある。
歌い手によってストーリーも変わってみえるなー。

 

7.ここでキスして。×木村カエラ

出だしから完全にカエラの曲になってた…!
カエラちゃんが歌うと、ピュアなラブソングになりますね。絶対両思いのやつ。結婚式でまっすぐ歌えるやつです。
最初にラインナップ聞いたときは、「もっとロックな曲なほうが合うんじゃない?」って思ったんだけど、ばっちりハマってました。

 

8.すべりだい×三浦大知

個人的、ベストソングです。
「すべりだい」はファーストシングル「幸福論」のB面なのでかなーり古い曲でして、かわいくて若い女の子が一生懸命歌ってるイメージなのですが、三浦さんが歌うとセクシーでどこか気怠くて、色気たっぷりに仕上がっています。
Aメロ終わりのダンサブルな間奏も、「らしさ」が出ていて最高です。
欲を言えば最後まで歌ってほしかったけど…なんで歌ってくれなかったんだろう!

 

9.本能×RHYMESTER

ここまで8曲聴いてきて、ようやく林檎さんご本人の声を聴ける安堵感。
それ以外はよくわからない。笑

 

10.罪と罰×Ai

力強すぎる…!
林檎さんは東京、AIはニューヨークって感じ。
林檎さんverは声質的にも絞り出すように歌うので、こっちで支えなきゃ倒れちゃいそうな印象を受けるんだけど、AI姉さんはとにかくかっこよくて、敵に回したくない感じ。

 

11.カーネーション×井上陽水

このバージョンだったら、絶対に朝ドラには起用されないなあと思いました!
完全に、夜!お酒片手に。

 

12.自由へ道連れ×私立恵比寿中学

エビ中とのコラボ、誰が考えたんだろう…!
パワーと若さあふれる、無敵感全開の一曲になってました。
エビ中ファンの皆さんによると、「歌割り」がめちゃくちゃ良いらしいです。
「道連れしちゃうぞ☆」も含めてバッチリはまっててびっくりした。
エビ中がこの曲を歌っているライブ映像も見たんですが、最初口パクかと思うほど歌うまかった。

 

13.NIPPON×LiSA

もともとW杯のテーマとして起用されてた曲。
当時は歌詞に対して、戦争が云々とか愛国心が云々とかいろいろと言われていましたね。。
林檎さんが歌うと、なぜだか言葉の「ウラ」を深読みしたくなってしまうんだけど、
LiSAだとそれこそ「混じりけのない」、力強くもピュアさを兼ね備えた、アニメの主題歌っぽくなる!

 

14.ありきたりな女×松たか子

さすが、女優・松たか子
歌詞ひとつひとつに気持ちが込められた、ミュージカルのような仕上がりに圧巻です。
(林檎さんが歌う「人生は夢だらけ」もそんな感じだった)
松さんと林檎さんは直近だと「おとなの掟」でタッグを組んでますけど、お二人の「おとな」感にはゾクゾクします…。
若くてはきっと表現ができない、深くて暖かい素敵な一曲です。

そしてここから草野さんの「正しい街」に戻るのがよき。

 

それぞれのアーティストが「林檎さんの世界観」にあえて近づけることなく、
個性を活かしたアレンジにてきっちり自分のモノにしていて、とてもいいアルバムでした。

20周年おめでとうございます。